酒ってドラッグですよね。タバコもドラッグです。
ここ20年くらいで、タバコに対する風当たりは強くなってきて、CMも規制されましたし、パッケージには健康被害の注意喚起の文言も入るようになりました。そして、受動喫煙防止の観点からも禁煙エリアも増えてきました。とても良いことです。(ちなみに私は3年ほど前に禁煙に成功しております)
かたや、酒はどうでしょうか??
日本は酒に甘すぎませんかね?
日本って酒に寛容過ぎやしませんかね?
パッと思いつくところで、いくつか挙げてみますが、色んな意味で寛容だと思います。
・酒飲みに対して寛容である
・酒の健康被害に対して寛容である
・酒の売り方(マーケティング)に対して寛容である
特に私が問題だと思っているのは、売り方の問題です。
CMで、いかにも爽やかなイケメン芸能人や美人女優を起用して、酒で人生を謳歌しているような印象を与え、酒は「楽しい」ものだという刷り込みを繰り返し行ってきます(酒の悪い面なんて、一切無視です。これっぽちも出てきません)
これにより、酒への心理的なハードルはグンと下がります。下がるどころか、無くなるといっても過言ではないでしょう。
そして、量販店の酒売り場にはCMと同時進行で目立つ販促物を飾り、あっ!これ知ってる!と手に取らせるワケです。
別に、これが一般の食品だとか、日用品だとか、普通の商品ならいいんですよ。
それがマーケティングですから。
でも、依存性のある酒というドラッグで同じ事をやるのはどうかと思います。
昔は酒屋でしか買えなかったものがどんどん緩和されて、そこらのコンビニやドラッグストア、スーパー、どこでも買えます。
酒を売ってない店を見つけるのが大変なくらいです。
酒への手の届きやすさ(到達性)が高ければ高いほど、容易に飲酒することができます。(当たり前ですが)
ただでさえどこでも買えるのに、これでもかっていうほど広告を打って、
日本に440万人ほどいるとされているアルコール依存症患者(疑いを含む)を、これ以上増やさないで欲しいです。
ただそうは言っても、酒税での税収も絡みますので、規制は難しいのでしょう。
尚、平成20年度の酒税の歳入は「1兆4600億円」くらいです。年々減少傾向にあるそうです。
ちなみに、厚生労働省の推計(平成20年)によると、酒の飲みすぎによる損失は日本全体で4兆1400億円程度になるそうです。(病気・生産性低下・自動車事故・犯罪などによる)
また数値化しずらい問題(アルコール問題による家庭不和や子供への虐待など)を考慮すると、悪影響は計り知れません。
そう考えると、酒の売り方を規制して、酒税の歳入は減っても、全体最適の観点からは十分、有益であるとは思います。
ストロング系のアルコール依存症まっしぐらの酒をバンバンCMして、安値で大いに売って、それが問題にならないこの日本。
もっと酒の負の側面が社会で広く認知されるようになり、タバコと同様に規制が進んで行くことを願います。