酒を愛してやまない多くの方は、自分が酒好きだと思って、酒を飲んでいると思います。
本当にそうでしょうか。酒が好きだというのは思い込みかもしれません。
一日に酒をエタノール量で、60g以上(ビールでいうと、1200cc以上)飲んでいる大量飲酒者は日本に880万人、その半数の440万人近くにアルコール依存症の疑いがあるとされ、アルコール依存症が確定的で、何らかの治療を要する人は80万人いるらしいです。
【参考文献】
1) 尾崎米厚, 松下幸生, 白坂知信, 他: わが国の成人飲酒行動およびアルコール症に関する全国調査. アルコール研究と薬物依存 40: 455-470, 2005.
多量飲酒者の半数以上がヤバイ
そのような事実を見ると、多量飲酒者(いわゆる酒飲み)の半数以上が、ヤバイ状態であると言えます。冒頭でも書いた通り、この酒飲みの人々は、酒が好きで飲んでいるんですよね。少なくとも多くの人はそう思っているような気がします。
私も以前、アルコール依存症がひどくなる前はそう思っておりました。
でも、私の場合、実際はそうじゃなかったんです。
アルコール依存症になる人って、ある程度飲める人です。私も、日本酒でいうと一升くらいは飲めます(ベロベロになりますが)。そして、何の自慢にもなりませんが。。。
じゃあそういう酒に強い人がなぜアルコール依存症になっていくかっていうと、シンプルに言うと、最初に飲んでた量では満足できなくなって、どんどん量が増えていくからなんですよね。
そしてある時、コントロールを失ってしまいます。
もちろん酒に弱くて、アルコール依存症になる方もいるでしょうが、私の周囲のヤバそうな人(飲み友達など)を見ても、だいたい酒が強くて自称「大の酒好き」が多いです。
酒を飲みすぎて、酒へのコントロールを失う。酒に溺れる。
それって、本当の酒好きでしょうか??
私はそうは思いません。
そういう人は、「ただ酒に飲まれているだけで、酒が合わない人間」なんだと思います。
自分では酒を愛していると思っていますが、酒はそうは思っていません。だってそうですよね。酒は一時の快楽と引き換えに、「気分の悪い二日酔い」「記憶を失った不安」「様々な失態」などなど、サイテーなプレゼントをしてくれます。酒にとって、アルコール依存症の人間は都合の良いカモなのです。
そんな酒の事を、普通に考えて「好き」だと思えるでしょうか。
酒の魔力によって好きだという思い込みが生じている(=騙されている)と考えるのが自然だと思います。
酒に騙されている事に気が付いていない
例えが少しおかしいかもしれませんが、
・悪女に騙されて、貢ぎまくっているおじさん
・ヒモ男にいいようにされている都合のいい女性
こういう人たちも、本人は騙されているという自覚がありませんから、本気で相手を愛していると信じていて、周りが止めても聞く耳を持ちませんよね。
周りがどんなに止めても聞かない。俺は酒が好きだからのむ。それのなにが悪い!!
アレ?
これって、、、なんかアルコール依存症に似てませんか。
つまり、重ねてになりますが、アルコール依存症の人が「酒が好きだ」というのは大きな誤解(思い込み)で、酒にいいように弄ばれているだけなのです。そういう体質なのでしょう。
要は「酒が合わない」んだと思います。
そういう人はやっぱり、酒との関わり方を考えないと身を亡ぼすと思うのですよね。
そして、望ましい酒との関わり方とは、酒と関わらないことだと思います。
本当に酒が好きな人っていうのは、適切な量を料理とあわせて飲めるような、酒との付き合いが上手な、酒との相性が良い人なのでしょう。
願わくば私もそのように生まれたかったです。(未練たらたら…( ;∀;)笑)